http://www.synthese-records.com/
私の昨年のベスト・アルバム10選に選ばせていただいたデビュー作『僕とキミをつなぐ物語』に続くシングル。
この人に関しては「現代最高の詩人の一人」との賛辞も惜しまない私だけれども、今作はイマイチかな?
歌詞に関してはやはり青春の切なさを描かせたら右に出るものはいないと思わせる素晴らしいものなんだけど、曲がちょっとなぁ~。
個人的に前作の魅力って詩の素晴らしさはもちろんの事、昔の歌謡曲を思わせるチープなトラックの上で彼が甘酸っぱいリリックをラップするという音楽性にもあったわけで、それは相当新鮮だったんですよね。特にシングル・カットされた”僕のフローチャート”はここ数年の中でも最も好きな曲の一つで、iTunesの再生回数ダントツ1位だったりします。
そして、今作で一番目立つのはやはりヒップ・ホップからロックへ変化だと思います。まぁ、それ自体は前作から兆しが見えていたものだし、どうこう言うつもりはないんだけど、前作のチープながらもどうしようもなく魅力的だったトラックに比べると、今作はちょっと凡庸だなぁ。まぁ、この人はトラックも自前っぽいから演奏力のせいかもしれないけど。かといって腕利きばかり揃えても彼の世界観が壊れてしまいそうだし、そこらヘンは難しいと思うけど。
でもまだ試行錯誤の段階だと思うのでまだまだがんばって欲しいものです。
しかしこの人のジャケットはいつも美しいけど、この写真も彼の手によるものなのかしら?
あと今買うと未収録音源CDの『卒業』がもらえるラベルが付いてます。私はまだ応募してないけど。
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いるはずのない場所へ 武藤正幸 インディペンデントレーベル 2004-12-16 |