A. On the Edge
B1.Senorita Tristeza
B2.Sweets & Love
数年前日本のヒップ・ホップの盛り上がりの時にローカリティについて色々語られたりしたけど、テクノにおいてのローカリティの重要性ってあまり語られることがないですよね。まぁみんなドイツ、特にベルリンに移住しちゃうから、そんなことあんまり関係ないのかもしれないけど。
そんな事考えたのはここの Anton Kubikov と Maxim Milyutenko による SCSI-9 がロシア出身だからなんだけど、これがロシアっぽいのかはよく分かりません。
この人たちって DATA 80 と同時期に Forcetracks からアルバム出してると思うんだけど、そこではこのレーベルらしいデジタル・ディスコだったと思うんですよね(家探したけど現物が見つからない)。その後そんなに数多くの作品は出してないはずなんだけど、このシングルでは随分変わって、非常にメランコリックです。最初に入る硬いキックの音こそフロア映えしそうな感じだけど、その後に続くストリングス、シンセによる単音のメロディ、そしてギターと、どれもメランコリックで、それらが折り重なってまるで悲しみの上塗りをしてるみたいなんですよね。なんていうのは少し大袈裟かもしれないけど、これがフロアでかかってもあんまり踊る気はしないねぇ。B1も同様で、ウッド・ベースとオルゴールを思わせるメロディがこれまた物悲しげ。でもB2ha跳ねたリズムのほんのりと明るい曲で、これでハッピー・エンドって感じです。
なんか少しメランコリーを強調しすぎた気もするけど、雰囲気はけっこう牧歌的なのでそこまで悲壮感漂うものではないです。だからこのメロディアスなところは KOMPAKT らしいといえばらしいのかな?リスニング向きだと思うので、この路線でアルバム作ってほしいものです。