いまだクリック/ミニマルの好景気というのは続いているようですが、どうもそれを実感できないのは、まぁ自分がクラブという現場に行かない人間だというのが大きいのだろうけれど、いわゆるポップやロックへの普及というものがぜんぜん見られないからなんですよね。
例えばエレクトロクラッシュとかってもう少しロックとか巻き込んでる感じがあったんだけど、私はクリック取り入れたロックやポップスってほとんど聴いたこと無いし。まぁ音楽的にあまりポップスと相容れない感じはするんだけどね。
以前からイトウ・ヒデノブという人はエレクトロニック・ミュージックのフィールドの中でも歌にこだわった活動をしていたようだけど、彼の最新作は以前リリースした覆面ユニット、宇羅々ヒカル(過去記事)のリミックス。
彼のブログで発売を知ってから心待ちにしていたのだけれど、これがもうめちゃくちゃポップなんですよね。
まぁこのポップさというものもリミックスだから、というか原曲の歌メロに因るところが大きいのだけれど、ビートの方もゴテゴテと飾り付けることなく、非常にシンプルながらもヴォーカルの雰囲気を壊すことの無い絶妙なもの。しかもヴォーカルとぶつかるような中音域の上モノとかが入ってこないので、原曲よりもヴォーカルの息遣いなどを聴き取ることが出来て、情感がより伝わってくるのもいい。
ポップだポップだといったからって、さすがにラジオとかでかかったらちょっと異質な感じはするだろうけど、こういう曲が増えるとまたミニマルもまた違った感じになって面白いと思うんだけどね。
あと裏面の方ははじめて名前聞く人なのだけれど、穏やかなビートの上にブリーピーな上モノが乗る妙ちくりんな曲。これはこれで変にクセになります。
Tracklist
A1.hidenobu ito feat. urara/lover
B1.polaris pulsations/cable
視聴→CISCO