お久しぶりの Slayer 、しかもオリジナル・ドラマーの Dave Lombardo が復帰、っていうんだからこちらの期待も弥が上にも盛り上がろうというものだけど、「どうでした?」、と問われれば、「いや、Slayer でした」としか答えられない作品です。
まぁ彼らは元々大胆な音楽的方向転換がないバンドなので、何を今更という感は無きにしも非ずなんだけど、それにしてもこれはちょっと様式的過ぎる気がします。
よくメタルを揶揄する時に「様式美」などという言葉を使いますが、メタルにとってカタルシスを与えることも大事な要素であるならば、それはある程度しょうがないことだと思うんですよね。でもこちらとしてはその様式から零れ落ちるよな熱量が欲しいわけで、このアルバムにはそれがちょっと足りないように感じます。Dave Lombardo もいつもならすぐ彼と分かるような太い音を出すのに、ここではなんだか没個性だし。
特に出来が悪いとは思わないし、聴いたら聴いたでそれなりに燃えるんだけど、やっぱり何か物足りなさを感じる1枚です。
視聴
『CHRIST ILLUSION』
01. Flesh Storm
02. Catalyst
03. Eyes Of The Insane
04. Jihad
05. Skeleton Christ
06. Consfearacy
07. Catatonic
08. Black Serenade
09. Cult
10. Supremist