わりとロック系の大物の作品のリリースの時って、広告などにものすごい大袈裟な煽りが載ったりすることがよくありますが、この Linkin Park の3枚目のアルバムとなる『Minutes to Mindnight』は久々にすごかったですね。なんか「ロックの歴史が変わる」みたいなこと書いてあるとこもあったし。まぁもちろんそんな事あるはずないんですが。
個人的に Linkin Park を好きになったのって2枚目の『Meteora』からで、まぁ当然デビュー作の『Hybrid Theory』も聴いてはいたのだけれどあまりピンとこず、では『Meteora』は何が良かったのかというとその音の作りで、いったい金を幾らかけたのかって感じの圧倒的にクリアな音質と、にわかに人の演奏とは信じがたいほどのデジタルな質感の音の壁が、うねりを上げながらこちらに降りかかってくるのが非常に気持ちよく、そこにヘヴィ・ロック的な記号とポップ・センスを上手く合わせた『Meteora』は、良い意味で当時の産業ロックの最高峰だったと思うんですよね。
そして前作から4年ぶりとなる今作は、事前に知らされていたとおり確かに以前よりもオーガニックな手触りのものに変化していて、それに伴って音作りも隙間のあるものになっていて、いやぁ、悪くはないんだけど、これじゃぁちょっとカタルシスの部分でちょっとうすいんだよね。曲のほうもずいぶんと落ち着き払ったものが多くなっていて、そのわりにはメロディに魅力のある曲が少ない。
まぁこの手のバンドが成功した後こういう作品作るのはよくあることだし、今までの絶叫ヴォーカルを減らしたのもバンドの寿命を考えれば懸命だとは思うんだけど、個人的に産業ロックの星がいなくなったようで、寂しいかぎりです。
- 曲名リスト
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- Wake
- Given Up
- Leave Out All The Rest
- Bleed It Out
- Shadow Of The Day
- What I’ve Done
- Hands Held High
- No More Sorrow
- Valentine’s Day
- In Between
- In Pieces
- The Little Things Give You Away
by G-Tools , 2007/05/26