昔音楽聴き始めたばかりの頃は、そのアーティストこそが最先端であると信じて疑わなかったのに、そのうちいろんな音楽を聴き進めるうちにそのアーティストが最先端はおろか、周回遅れもいいとこだったのが分かってがっくり、というのは多分多くの人にある事だと思うんだけど、私にとって Nine Inch Nails というのは正しくそういう存在なわけですね。
まぁそれでも『The Fragile』までの作品は鬼気迫るテンションが感じられて、サウンドの先進性云々とは別のところで語れるものだとは思うんだけど、さすがに『With Teeth』(過去記事)でのマッチョなインダストリアル・ロックは未だに退屈で聴く気がしない。
そして前作から2年という Nine Inch Nails としては異例の速さで完成した今作はというと、基本路線は前作とそれほど変わらず。比較的生バンド的な音の多かった前作よりはエレクトリックな音が増えたけど、昔の鬱屈した感じと比べればずいぶんと肉体的で、健康的ですらある。しかし前作よりは混沌とした部分も多くなっていて、曲自体もけっこう印象的なものが多いので、このアルバム単体でみればわりといいアルバムではないかと思う。でもやはり最後まで Trent Reznor がこの方向性を選んだ必然性が理解できなくて、でもそんなこと考えるのは所詮オヤジのノスタルジーなのかなぁ。
視聴
Tracklist
- 曲名リスト
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- Hyperpower
- The Beginning Of The End
- Survivalism
- The Good Soldier
- Vessel
- Me, I’m Not
- Capital G
- My Violent Heart
- The Warning
- God Given
- Meet You Master
- The Greater Good
- The Great Destroyer
- Another Version Of The Truth
- In This Twilight
- Zero-Sum
by G-Tools , 2007/05/28
ノスタルジー…昔の作品が懐かしいですね。
これはこれで新しいファンも掴むでしょうが、この方向性は自分も賛同はしないですね。
マッチョとか人間味とかここ数年のトレントさんは、ほんと普通の人になりつつあります。
なんか自分にはしっくり来ないです。
やっぱり昔のうじうじした逆切れ王子のほうが面白かったと思うんですけどねぇ。
でもそうするとやっぱり精神的にきついのかなぁ。
難しいところです。