なんのかんのでコンスタントにリリースのある Bennie K の、多分アルバムとしては5枚目かな(この人たちミニ・アルバム多いからよく分からねぇんだよ)。
ジャケットだったりタイトルに表れているとおり、今回は世界一周がコンセプトなんだそうで、確かに随分と雑多な音楽性が詰め込まれているのだけれど、そこは正直あまりそこは気にしなくていいかな。
元々ヒップ・ホップというものは、様々なジャンルの音源をサンプリングすることにより、様々な音楽性を取り込むことの出来る自由度の高いものだったわけだけど、そこは時代の旬の音を掠め取ってきた歌謡曲も同様。そういった意味では、ヒップ・ホップと歌謡曲を立脚点にする彼女たちの資質が今回前面に出たに過ぎないんじゃないでしょうか。
そうなってくると重要なのはやはり曲そのものということになるんだけど、今作に収録された曲は、例えば Bennie K の出世曲である “サンライズ” なんかに比べるとどうもパンチに欠けるものが多い。しかしどの曲も水準以上なのは間違いなく、メロディも様々なアレンジが施されているにもかかわらずまったく揺らいでいない。
それに Yuki のヴォーカルは以前よりはるかに感情豊かになったし、それ以上に印象的なのが Cico のラップ。普通のラップのスタイル以外にも、ポエトリーディングだったりはたまたメロディ歌い上げてみたり、彼女のヴォーカル・スタイルの幅広さが Bennie K の自由度の高さにつながっている気がします。思えばチャートで成功しているヒップ・ホップ系の人って、 Kreva だったり Verbal みたいな歌えるラッパーが必ずといっていいほどいるんだよね(っていうか日本はメロディ感覚のないラッパーが多すぎるんだよ)。
前半のお祭り騒ぎから後半しっとりしたものが多くなる構成も心地良くて、彼女たちの実力の高さが伺えます。
でも、あえて一つだけ難癖つけさせてもらうなら、終盤のリサ・スティッグマイヤーと小林克也はいらなかったんじゃねぇかな。なんかこのアルバムを安っぽいものにしている気がする。
- ある朝 ~Opening~
- Joy Trip
- Passista de Samba
- SATISFACTION
- 英→仏→独 ~Interlude~
- 風利眼 in the house
- ララライLIE!?
- 1001Nights
- echo
- Matador Love
- SAFARI
- 帰路…~Interlude~
- 青い鳥
- Around THE WORLD ~Reprise~
- ワイハ