NORIKIYO / EXIT (YUKICHI)CD

EXIT
http://www.sdp-228.com/

そういえば今年はけっこう日本のヒップ・ホップで期待してたリリースが多いはずだったんだけど、結局 8th Wonder のアルバムは出ないみたいね。確か今年の頭にアルバム出して、その後 masashi のソロが続くみたいな話だったはずなんだけど。まぁ作業は今も続いてるらしいから待つしかないですな。あと志人のユニットの後に降神もアルバム出す予定だった気がするんだけど、志人のユニットが発売延期したまんま動きが全然聞こえてこない。何かトラブルでしょうか。それと N9N は相変わらず出ないね。でも myspace で聴ける曲がとんでもなくかっこいいので、こちらも引き続き期待して待ちたい。
そして SDP も本隊のアルバムに KYN 、 BRON-K のアルバムがこの秋に出る予定だったはずなのに、今年中に出るのは BRON-K だけっぽいなぁ。まぁ SDP は今年いっぱい出してくれたからいいんだけど。

ということで SDP (相武台ポッセの略、けっしてスチャダラパーではないよ)のラップ部隊である SD JUNKSTA のリーダーである NORIKIYO の初ソロ・アルバム。
わりとヒップ・ホップの雑食性について書いた記事が続いたので、だったら別にヒップ・ホップじゃなくてもいいのではなかろうか、と思う人もいるかもしれないけど、私がヒップ・ホップに強く求めてる部分というのも確かにあって、それは時代の空気感みたいなものだったりします。まぁ全ての音楽に時代性というのは求めてる方ではあるんだけど、その中でもヒップ・ホップは時代の空気が直接的に反映されやすい音楽だと思うし、それが日本語のラップとなれば尚更。
ならばこのアルバムに反映された時代性というものは何なのかといえば、ありきたりな言葉ですが「出口なし」の感覚ではないでしょうか。
本作のリード曲である “DO MY THING” で若者を叱咤激励するようなことを言ってはいるが、では当の NORIKIYO がこのアルバムで明確な目標や道筋を示しているかというと、少なくとも私はラップからもトラックからも感じない。ここで語られるのはハスリングをしていた過去と、その過去よりはましになったものの、相変わらず相模原の団地の真ん中でうだつの上がらない日々を送る現在であり、未来というものがすっぽりと抜け落ちている。しかし本作が、絶望と悲しみにまみれた救いのないアルバムになっていないのは、 NORIKIYO がゆっくりながらも歩みを止めない姿勢が刻み込まれているからであり、だから彼のラップは誰よりも力強い。そしてそんな自分を独特のユーモアを交えながら語る彼は、ストーリーテラーとしても一流なのではないでしょうか。
まさに私が日本のヒップ・ホップに求めるものとしては、申し分のない1枚です。

[`friendfeed` not found]
Facebook にシェア
[`evernote` not found]
[`livedoor` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)