気が付けばテクノ/ミニマルを代表するプロデューサーになった感のある Villalobos なんですが、その短くない活動歴の中でも様々なスタイルの変化をみせているので、どの時期から聴きはじめたかによって、その人の中での Villalobos の音のイメージってけっこう変わってくるのではないかと思うんだけど、『Alcachofa』から聴き始めた私にとって、このブログでも何度も書いているように、非常に粘着質のグルーヴを作る人だというイメージが強くあります。
そういう私からすると、 Villaoboso の4枚目のミックスCDであり、全曲 Villalobos の未発表曲で構成された本作は、若干物足りなさを感じる作品です。
というのも、今作ではキックを中心にグルーヴを組み立てているせいか、以前のようなベースやパーカッションが一体となって絡みつくような感覚が希薄で、どうもリズム全体が淡白に感じられてしまう。その分ここでの縦ノリに近いリズムは踊りやすいとは思うんだけど、やはり私は膝下に絡みつくようなねっとりとしたグルーヴを Villalobos に求めてしまう。
それでも “ANDRUIC & JAPAN” 以降の混沌とした雰囲気というのはかなり好きな感じではあるんだけど、その曲以前がどうも退屈で、反復音楽において、何かが起こるまで如何に引っぱるかというのは非常に重要だと思うんだけど、今作ではその引っぱってる部分にあまり面白味を感じない。 “Fizheuer Zieheuer” なんて、引っぱりまくって結局何も起こらない、って感じの曲だったのに、十分面白かったんだけどなぁ。
それにしてもこの人って、あれだけシングルとかリミックスやってるのに、まだこれだけ未発表曲があるっていうのはすごいね。そのうち、10枚組みくらいでもいいからリミックス集とか出してくれねぇかなぁ。