昨年は比較的限られたレーベルの12インチしか買ってなかったんだけど、今年はもう少し色んな12インチを買っていこうかなぁ、なんて思っておりまして。そんな折見つけたこのシングル。なんとハイジのお友達を名乗る輩によるもの。そのハイジっていうのは、絵を見てもらえれば分かるとおり「アルプスの少女ハイジ」だと思うんだけど、私はその絵の可愛さにつられてつい買ってしまったんですが、音の方はそれに反してなかなか渋い。
太いながらも非常にシンプルなリズムを軸に、アコーディオンとストリングスに近い音色の二つの上モノがうっすらの乗る、ディープなテックミニマルで、はっきりいってかなり地味。しかし絶妙なタイミングで鳴らされるパーカッションであったり、微妙にアシッドぽいベースであったり、はたまたあっさりとしていながらも執拗に反復される上モノであったりと、細部にわたって完成度は高く、何気に中毒性ある曲なんじゃないでしょうか。
それに終盤、いかにもスイスっぽいといった感じの歌が挿入されるんだけど、それをただのネタで終わらせずに、巧みに曲に取り込んでいく手腕もなかなか。
なんかレコ屋のポップを見ると、 “Heater” 路線の曲として紹介されていたけど、はっきりいってああいう即効的な高揚感はない。でもこのセンスと完成度は、十二分に注目に値するのではないかと。