復活後はいいペースでリリースを重ねている pepe bradock のシングル。とはいっても、復活後のシングルはどれも以前のような重厚なハウス・グルーヴを味わえるものではなく、どちらかといえば実験的な色合いの濃いものだったけど、今作も前作『sakura incident』同様、リズム音は最小限に抑えられていて、鳥の鳴き声をバックに、彼にしては陽気ともいえるメロディが飛び交う南国風味なハウス・チューン。そして前作がそうだったように、今作も上モノだけで見事にハウスのグルーヴを保持していて、そのグルーヴはさらに強くなっているんだから恐れ入る。
このフランスの鬼才が、一体どこに向かおうとしてるのかは、私にはさっぱり分からないけれど、それでも近々とんでもない傑作をモノにするのではないかという予感がする1枚です。