http://www.amuse.co.jp/perfume/
さて、何から書きましょうか。上手くまとまらないので、いつものようにどうでもいい事から書きましょう。
Perfume というと、世間ではテクノ・ポップとして認知されているようである。でね、まぁそこはいいですわ、別に。いや、本当はよくないんだけど、とりあえず触れないでおく。それよりもさ、彼女たちって自分たちもテクノが好きとか言いやがるじゃない?で、彼女らに限らず、チャートに顔出すような人たちが「テクノ好き」を公言するときに思うのは、一体この人たちは何を指してテクノと言っているのかという事なんですよ。 Wikipedia 見ると、メンバーの誰かがDJやった、みたいな事が書いてあるので、もしかしたらディープに聴いてるのかもしれないけど、でもこのお嬢さん方がミニマル聴いてるとはとても思えないし、だからといって UR なんてことはないでしょ?。そもそも、現在は細分化しすぎて何がテクノなんだかよく分からない状況なわけで(正直今「テクノ聴いてる?」って質問されたら、私は答えられない)、そんな中それ程突っ込んで聴いてないから「テクノが好き」なんて、なんの衒いもなく言えるんだろうけど、どうも日本って YMO のおかげで(っていうかむしろせいで)、「テクノ」という言葉が市民権を得ている為なのか、変に便利な言葉として使われている気がして、すげぇ気に食わないんだよなぁ。まぁ彼女たちに何の罪もないんだすけど。
ということで、どうでもいい揚げ足取りが長くなってしまいましたけれど、 Perfume 待望のアルバムです。
このアルバムについては、色々と思うところあるんだけど、とりあえず一言でいえば、見事なアルバムだなと。フロアでも十分通用するのではないかと思える強度を持ったトラックと、それでもアイドル性を失わない歌と、シングルと比べても何の遜色もない粒揃いの楽曲と、とにかく隙がない。以前ベスト盤聴いたときは、単なるB級アイドル・ポップにしか思えなかったけど、今作は完成度が段違い。中でも素晴らしいのは、やはり中田ヤスタカによるトラックで、現行のエレクトロ・ハウスとも呼応しながら、下世話にもお洒落にも転ばずに、それでいてポップスとして成立しているんだから素晴らしい。少し前に、やけのはらや Peechboy が Perfume をDJで使ってるという記事を目にしたとき、二人ともどうかしてしまったんじゃないかと思ったけど、このアルバムを聴いた今なら納得できる。
それにエフェクトかけた声も、普通に歌われたら甘すぎて聴けないような歌を、とても聴きやすいものにしているし、逆に機会声から零れ落ちる人間性を、非常に効果的なものにしている。
とまぁ、ある意味非の打ち所がない作品のようにも思えるんだけど、アイドルの歌として聴いた場合、その非の打ち所のなさであったり、または弱さや切なさなんかがどうも欠けている(虚構の色が強すぎる)気がして、例えば昔好きだった SPEED や、今好きな KAT-TUN に比べると、今ひとつグッとこないのよね(だから未だに3人の名前とか覚える気にならないし、 DVD もそれ程萌えなかった)。つまり、ポップスとしては非常に中毒性が高いけど、アイドル・ポップとしては少し物足りない。まぁそれは、 Perfume がこのコンセプトでいく限り、どうにもならないように思えるし、ないものねだりなんだろうけど。