先頃新作を発表した Tricky が1996年に発表したアルバム『Pre-Millennium Tension』からのシングルカット。
表題曲は彼のキャリアの中でも屈指の名曲で、「彼女は私を死にたくさせる」というタイトル通りの陰鬱な曲。でも何年かぶりに聴いてみたら、思ったほど暗くもなくて、柔らかなギターの音色に耳がいく。まぁそれでも明るくはないんだけど、やっぱり名曲。
そして聴きモノなのが CD 1 の方に収録された ACOUSTIC VERSION 。
これを買う前の私は(あぁ、もう10年以上前じゃん)、この曲をアコースティックにしたらどんなに美しい曲になるんだろう、と想像を巡らしていたんだけど、蓋を開けてみれば、爆撃音のようなノイズがリズムを取り、呪術的なギターがループする怪しさ満点なバージョン。まぁ考えてみれば Tricky がそんな素直なアレンジするわけないし、確かにこれもアコースティックなんだろうけどさぁ、って感じで、変な期待した私が悪いんですが。でも次第にこの怪しさがクセになって、今ではかなり好きな曲です。
あともう一つ面白いのが “PIANO” の A GUY CALLED GERALD によるリミックス。今ではすっかりなかったことになってる気がする ドラムン・ベース 時代のリミックスで、原曲が原曲だけに、ドラムン・ベースの中でも bpm が遅め。でもその分リズムのデコボコ具合が逆に気持ちいい。
それにトリップ・ホップとドラムン・ベースって、ジャンル的にお隣どおしだったのに、あまり交流があった記憶がないので、そういった意味でも面白い。
さらに STEREO MC’S によるリミックスもあるんだけど、そっちはイマイチかしら。