このCDの帯にも書いてあるように、今では客演で引っ張りだこの TARO SOUL のメジャー・デビュー・ミニアルバム。
昔から日本のラッパーに足りないものは歌唱力だと思ってた人間なんで、 TARO SOUL みたいなきちんと歌も歌えてラップも出来るアーティストの登場というのは、個人的には大歓迎なんだけど、彼の場合まだフロウの幅がイマイチ狭いせいか、よくいえばソウルフル、悪くいうと少々くどいヴォーカルなように思うので、全体的にパーティノリの軽い感じでまとめた本作は、なかなか聴きやすくて良いんじゃないかしら。
モロに80年代なシンセの音に思わず仰け反るタイトル曲や、ヒップ・ホップの大定番曲のリメイク “HIP HOP HOORAY 2008” などの曲の間に、お得意のメロウな曲を挟みこんでいてバランスがいいし、韻踏合組合との “ガッデム” では、今の韻踏って意外にこういう華やかなトラックが合うんだなぁ、という新たな発見もあって面白い。
まぁそれでもこれがフル・アルバム・サイズだったらちょっとキツイかも、というのも思わなくはないので、もっとヴァリエーション増やしてくれるといいのですが。