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少し前に来日中止が発表されて残念無念な PAN SONIC が、恐怖の4枚組みアルバム『Kesto』から約3年ぶりに発表した2007年作。
この作品に関しては、こっち方面にお詳しい方からすると色々とあるんでしょうが、そういうの疎い私からすると、とにかくノイズの快楽の一点に尽きますね。
一般的にミニマル・ミュージックの文脈で語られることが多い PAN SONIC ですが、この作品からはそういった面はあまり分かりやすい形では刻み込まれておらず、ダブステップからの影響が伺えるリズムや、チェロを使った曲など、彼らにしては曲のヴァラエティは豊か。
しかし多くの曲で共通しているのが研ぎ澄まされたノイズの快楽で、その暴力的な響きは非常に荒々しいものながら、同時に丹念に磨かれたかのような美しさも纏っている。
まぁ個人的には『Aaltopiiri』の冒頭の曲のような、ミニマルな四つ打ちをもっとやってほしいんだけど、このアルバムはこのアルバムで非常に魅力的。王者の貫禄さえ感じられる作品です。