どんどん注目度が上がってくる中ベスト・アルバム(過去記事)の次の作品という事で、ここで人気を確実なものにしたいという思惑が当然あったであろう中、売り上げが50万枚を突破したとかで良かったね、という感じの AKB48 のシングル。
そのベスト・アルバムに関しては、色々と好きな部分がありつつも、稚拙な部分も目立ったというのが感想だったんですが、今作は物語の作り方がずいぶんと巧みになりましたね。
今作の表題曲 “ポニーテールとシュシュ” は爽やかなベタベタのアイドル・ポップスで、今までの彼女たちの曲では “言い訳Maybe” に近いもので、クラスメイトへの片思いを歌っている(今回は主人公が男だけど)という点も同じ。しかし今回の “ポニーテールとシュシュ” の方が昔のアイドル歌謡に近いアレンジがなされていて、元々彼女たちが持っていたノスタルジックな色合いをさらに濃いものにしている。
んで、今回そのノスタルジックというのが重要で、この曲の歌詞は「僕」の「君」に対する想いが綴られているわけですが、てっきり学生の現行の感情なのかと思いきや、最後のサビがこの歌詞は回想なのかと思わせるものになっていて、そうなってくるとこの曲のノスタルジックな色合いと共に、「ひと夏の思い出」といった風情のジャケット写真もファンサービス以上の意味を帯びてくるし、また昔は云えなかった思いを伝えるために今回は「投票」という告白方法まで用意されているのだから、もうコレは見事だと云わざるを得ない。
まぁでも残念なのはカップリングが箸にも棒にも引っかからない代物という事ですかね。アンダーガールズというのが歌っている “盗まれた唇” はリズム感が酷すぎるし、ヤンキー寸劇みたいな “マジジョテッペンブルース” はファンじゃない人には聴くのが辛い。
- ポニーテールとシュシュ(TypeB)(DVD付)
- AKB48
- キングレコード 2010-05-26
- 曲名リスト
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- ポニーテールとシュシュ
- 盗まれた唇(歌:アンダーガールズ)
- マジジョテッペンブルース
- ポニーテールとシュシュ(off vocal ver.)
- 盗まれた唇(off vocal ver.)
- 僕のYELL(off vocal ver.)
by G-Tools , 2010/07/04