2004年のデビュー作が発表された当時、東洋人で初めて Ruff Rydes の一員になったと話題になった チャイニーズ・アメリカン、 Jin の8曲入りミックステープ。
中国系アメリカ人とはいっても生まれも育ちもマイアミという事で、今作を聴く限り特別中国という国を意識させるような場面はない。
しかし一方で、まぁこれは半分以上見た目からくる思い込みと思ってかまわないのだが、やはり同じ東洋人だからなのか Shing02 や Seeda の英語に近い、黒人とも白人とも違う感覚が彼のラップにはあって、日本のヒップホップの方が聴く事の多い私からすると、そういった意味ではものすごく親しみやすい。
また派手な上モノとドタバタとしたドラムを中心にしたトラックは Bach Logic に近いもので、ますます Seeda に近い印象を抱くのだが、そんなトラックにも負けない強い声で、起伏に富んだフロウながら非常に聴きやすい Jin のラップは非常に魅力的で、中でも今作からのリード曲、 “Angels” は、上記の要素が凝縮されたような名曲で、ついつい繰り返し聴いてしまう。
サイトのディスコグラフィを見ると2007年を最後にアルバムをリリースしていないようだが、今作を契機にぜひ活動を活発化させてほしいところだ。