東京在住の高校三年生、 miii の多分4枚目のアルバム。
彼については以前びびんばさんが紹介していたのでなんとなく気にはなっていたんだけど、いやぁ、これはもっと早くから聴いておけばよかったと思わされる作品だ。
冒頭の “intro” がアニメ声の女の子がはしゃいでるだけの曲で、これは大失敗しちまったのと思ったのもつかの間、続く “Disco splatter” の、低い低いベースラインが入ってくるところがまずかっこよすぎるのだが、最近の享楽的になりすぎた感のあるダブステップに対して、まるで冷や水でも浴びせるかのような重さがこの曲にはあり、それでいて暗くなりすぎることなくダンス・ミュージックとしてのグルーヴを保持しているのが素晴らしい。
その後の “Dam Dab Dub” と “Dub capitalism VIP” も非常に重いダブステップなのだが、この前半の重さがあることによって、中盤のブレイクコアとダブステップを融合させたような曲の暴力性が活きているし、また寂しげな世界観を描く後半も同様。
そしてそれでも頭でっかちな内容にならないのは彼のバランス感覚によるものなんだろうし、またこれだけ暗くてもどこか人懐っこい(ある種ポップだとさえいえる)のは彼の人柄によるものなのだろう。
サイトのディスコグラフィ見るとずいぶん作品数があるようなので、全部を聴くのは大変そうだが、それでも今後の活動は注視していきたいアーティストだ。