チリ出身の女性プロデューサー Dinky が2008年に Vakant から発表した3枚目のアルバム。
彼女は初期はともかくとして “Acid In My Fridge” で注目されて以降は Luciano に近い軽快なパーカッシブ・ミニマルを作る事が多く、そんな彼女が、シングルはともかくなぜかアルバムになると妙に Cadenza っぽい作品を出す Vakant からアルバムを出したとなれば、内容は当然のように Cadenza っぽい。
しかしジャケットにも現れているように全体的にどこか靄がかったような暗さがある作品にもなっていて、これはこれで悪くはないものの、しかし彼女らしい軽快さをつぶしている場面も少なくなく、聴いていてなんだかモヤモヤしてしまう。
まぁ代わりにヨーロッパ的な耽美さが感じられるので、面白い作品なのは間違いないんだけど、それでもやっぱり私はいつものすっきり明るい彼女の方が好きかなぁ。