昨年のテクノって際立って新しい動きがあったという印象はなかったものの、作品自体は非常に良質なものが多く、そのせいか私もアナログを多く買った1年でした。でもそれらを全然紹介していなかったのでぼちぼち紹介していきたいと思います。
そんなもん今更紹介されても売ってねぇじゃねぇか、っていわれたらその通りなんですけどね。えぇ、すいません。
ということで、昨年私が金をつぎ込んだアナログといえば、何をおいてもこれでしょう、ということで RAL の1枚目。
多分アナログ追いかけていない人には耳慣れないレーベル名だと思うんですが、 RAL というのは Ricardo and Luciano の略で、彼らの周辺アーティストが参加したネタモノブートレーベル。と、これだけで十分マニア心をくすぐるんですが、さらにカタログ番号がそのままドイツ品質保証協会のカラーコードになっているというのもにくいところ。
そんなレーベルからの1作目である本作(Discogs によれば2008年に出たみたい)は、 Caetano Veloso の “Depois que ile passar” と Nina Simone の “Sinnerman” をネタにした作品で、クレジットはないんだけど Luciano の手によるものだそう。
今作は最初のリリースという事で気合が入ったのか、このレーベルのリリースの中でもかなり上位に入る傑作なんだけど、中でも傑作なのがA面の “Cae” 。それはもちろんネタの Caetano Veloso の涼やかな歌声に因るところも大きいのだけれど、絶妙なタメの利いたキックと軽やかに鳴るパーカッションが、歌に寄り添いながらもきちんとダンス・トラックである事を主張していて、ネタモノ云々の面白さを抜きにしても素晴らしい曲。
一方裏の “Nin” は展開の多いリズムが Nina Simone のソウルフルな歌を盛り立てていて、これまた傑作なんだけど、乾いた音のスネアやベースラインなんかが、 Luciano が2009年に出したアルバム『TRIBUTE TO THE SUN』の “CELESTIAL” まんまなのが面白い。
ここで作ったリズムが気に入って、アルバムで再利用したってことなんでしょうか・・・。
ちなみに上では今作は Luciano 作という事で書いているけれども、 youtube に上がっている Jack Ridella という人の “Depois Que O Ile Passar” のリミックスが今作に収録されている曲と全く一緒なのよね。かといって Jack Ridella という人の事を調べてみても RA のページにイタリア出身であることが書いてあるの位しか見つからなくて、なんかよく分からんねぇっす。
こんばんは。RALは昨年大量リリースされて私も
何枚か購入しましたが、これは両面とも素晴らしい出来ですよね、私も大好きです。デリックもこの間dommuneでcaeかけてましたね。他にもビヨークやrose rough使いがお気に入りです。
>久間さん
これデリックがかけたんですか。それは聴きたかったなぁ。
因みに私は日本に入ってきた12枚全部買ってしまいました・・・。