ダブステップの黎明期から活動する Mala と Coki のユニット Digital Mystikz による2010年発表のファースト・アルバム。
確か事前発表だとこの後もう1枚アナログでアルバム出して(『Urban Ethics』というアルバムが出ている)、その2枚に新曲を足してCDアルバムを出す、という話だったと思うのだが、現在のところCDアルバムは出ていないみたい。
2010年のダブステップといいますと、アルバム単位でみても色々と話題作の多かった年ですが、そんな中にあって DUBSTEPFORUM AWARDS 2011 の「BEST ALBUM / COMPILATION」部門で断トツトップを獲得したのが本作。
とはいっても今作はダブステップの未来を提示したとかいう類の作品ではなく、むしろダブステップの根源的な魅力を凝縮したような作品になっていて、跳ねたリズムと重たいベースによるトラックはとにかく硬質。さらにそれらがアナログらしい素晴らしい音圧で刻まれているもんだから、クラブ・ミュージックとしてのダブステップとしては文句なしの作品になっている。
かといって過去のダブステップの焼き直しというわけではけしてなく、変則的なビートの “MOUNTAIN DREAD MARCH” や、細かく震えるベースがまるでトライバルなハードミニマルのようなリズム感を出している “RETURN Ⅱ SPACE” など実に刺激的。
ということでダブステップフォーラムのアワードで1位になるのも納得の素晴らしい作品なんだけど、惜しむらくはやはり6曲という収録曲の少なさですかね。そういった意味では、やはり CD としてまとまった形で聴けるとまた評価も変わるのかなという気がするんだけど、やっぱり出ないんですかね・・・。