イギリスのシンガー Katy B が2012年12月にフリーで発表した EP 。
今作には Rinse からアルバムなども出している Geeneus 、Radiohead のリミックス盤や、最近だと Ango のアルバムにも参加していた Jacques Greene 、そしてお馴染み Zinc に Diplo という有名プロデューサーが参加しているのは2011年のデビュー作(過去記事)と同様ながら、さらに最近出したアルバムが話題になっている Jessie Ware (sbtrkt のアルバムなんかにも参加してる) 、グライムを代表するラッパーである Wiley 、オーストラリア出身の女性ラッパー Iggy Azalea など、シンガーの方も旬な面子が参加していて、無料とは思えない豪華な作品になっている。
それはそれだけ Katy B が注目されているという事の裏返しでもあるのだろうけれど、ポップな四つ打ちの “Aaliyah” やファンキーっぽい “Got Paid” は面子の並び以上の面白みはなく、むしろ憂いのある歌声を聴かせる Jessie Ware や、トラックのグルーヴをきっちりつかんでラップする Wiley などゲスト陣の方に耳がいく。
しかしうっすらと切なさが漂う “Light As A Feather” と、ゆったりとしたトラックの上でたゆたうような歌を聴かせる “Danger” は魅力的で、アシッドっぽい音をアクセントにしながらも、淡いシンセで憂いを表現する Diplo と、アンビエントっぽいダブステップながら、固めの音を使ってその印象を変えている Jacques Greene のトラックも秀逸。
多分これだけ豪華な盤を出して話題作ったっていうことは、近々大きな動きがあるんじゃないかと思うんだけど、アルバム出るならちょっと期待しておきたい。