2010年ごろから活動しているらしいドイツのレーベル Knowone から2012年に発表されたアルバム。
ここ数年流通形態がデジタル中心になったことで、逆にアンダーグラウンドなレコード作品が増えてきましたが、この Knowone もそんなレーベルで、アーティスト名などの情報はほとんどなく、またプレス数の絞られたレコードは、レーベル名と型番がスタンプされただけの簡素なもの。
しかしただ謎に包まれているだけでもなく、日本限定でシングルをリプレスするなどもしていて、愛想がいいのか悪いのか、ますますよく分からないレーベルです。
そんなレーベルからの作品というと、非常にアンダーグラウンド色濃いものを想像してしまいますが、今作はほんのりとミニマル・ダブ的な意匠をまといつつも、むしろデトロイト・テクノに近い感情に訴えかけるようなメロディをもったテック・ミニマルが多く、思いのほか聴きやすい。
しかし3枚のアナログの片面それぞれに収録された長尺曲は、派手な展開などを排した地味なもので、しかし全く弛緩することなく聴かせる手腕には、作者の地力の高さを感じさせる。