もう一つ Sawlin つながりで、彼が参加している 10 Label のコンピレーション・シングル(2011年作)。
今作をリリースしている 10 Label は参加しているのが海外のアーティストばかりなので分かりづらいが、京都を基点に活動してるレーベルで、現在のところ今作1枚しかリリースがない。
しかし今作は2011年聴いた中でも非常に印象深い作品であり、久しぶりに聴いた今でもそれは変わらない。
どっしりとしたリズムの上で、神経症的に鳴るノイズと金属音が印象的な1曲目 ANCIENT METHODS の “ANCIENT METHODS” がまず良いのだが、今作で最も素晴らしいのはやはり次の STEVEN PORTER による “DEED” だろう。 STEVEN PORTER は個人名なのかと思いきや Katsunori Sawa と Yuji Kondo による二人組み。
90年代と違い、今では日本人だからといって音の線の細さが気になることはほとんどなくなったが、それにしても、と思えるほど、太い地鳴りのようなベースラインがまず強烈なのだが、そこに絡む変則的なキックと荘厳にも思えるシンセが織り成すグルーヴは、テクノやヒップホップ、ダブステップなどを飲み込みながらも、しっかりとダンス・ミュージックとしても機能していて本当にかっこいい。個人的に二人とも名前を知らなかった事もあり、90年代に Takaaki Itoh が突然海外のレーベルから表れたのと同じような衝撃があった。
また次の ANNE-JAMES CHATON による、性急なキックの上にフランス語と思われるスポークンワードをループさせた “EVENEMENT27” も非常に個性的で(Raster-Notion から出したアルバムのライセンスみたいだけど)、金属音が軋みを上げるハードな SAWLIN の “PAINFULL” も地味ながら良作。
あまり数刷ってないみたいで今では入手困難なシングルですが、中古でこの鳩見かけたら是非手にとってほしい1枚です。