http://www.semanticarecords.com/
もう一つ Steven Porter 。
ということで、 Svreca が運営するレーベル Semantica Records から2011年末に出た、レーベル5周年記念の連作コンピレーション・シングルのうちの1枚。
5周年という事だからなのか、参加メンバーもなかなか豪華なんですが、今作でまず驚くのは1曲目。おなじみ Regis こと Karl O’connor に、Tresor からもリリースしている Peter Sutton 、さらには User として活動していた Richard Harvey という3人による共作なのですよ。曲自体はノンビートの前半から、アシッドっぽいビヨンビヨンしたシンセがリズムを刻むという、なんとも珍妙な曲なんだけど、この3人の並びには、ハード・ミニマルを通過した人間としては、なかなか熱いものを感じてしまいます。まぁ Karl O’connor 以外の2人に関してはもう何年もリリースがないので、昔の曲引っ張り出してきただけなのかもしれないけど。
次の AW / SS という二人による共作(?)”Nonnative” は金属的なノイズが鳴るインダストリアルなハードテクノ、3曲目の Svreca “Obscur (Marcel Dettmann Remix)” は、Marcel Dettmann にしては珍しくダブ的な音響ながらもすっきりとした音作りのディープ・ミニマルで、両曲とも地味ながら良い。
そして最後の Steven Porter による “Moonlight Graham” は、いつもよりベース控えめの、重量感のあるキックで全てを薙ぎ倒すかのようなハード・ミニマルで、ある意味テクノ的な定型にのっとった曲ではあるんだけど、同時に途中の展開含め、ノイズ的なエフェクトが飛び交う非常に「うるさい」曲でもあり、その辺りのバランス感覚が面白い。
Steven Porter って今作以降作品は発表してないみたいなんだけど、もうリリースはないんですかねぇ。2012年も何回かライブはやっているみたいなので、本格的に活動してほしいのだが・・・。