シカゴの4人組 Bongripper が、同じくシカゴの Hate と2013年2月に出したスプリット盤。
6曲中5曲が Hate の曲という変則的な構成ながら、 Bongripper の曲が10分越えなのに対して、 Hate は1分未満の曲がほとんどなので、収録時間としては Bongripper の方が長い。
その Bongripper は、そもそもバンドの成り立ちからしてジャムセッションから始まったようなので、今作に収録された曲も分かりやすいメロディや構成のないインスト。時折思い出したように走り出す部分があるものの、基本的にはドゥーム・メタルと呼ばれるスタイルの音で、ダウンチューニングされたギターとベースの出す歪んだ音色は非常に重い。ただドゥームのオカルトっぽさや、ストーナー系の葉っぱくさい極端に弛緩した感じは薄く、上述したようなジャム的なラフな空気が強いので、その分聴きやすい反面、掴みどころがなくてイマイチ印象に残りにくい。
一方の Hate はブラック・メタルっぽい喚き散らす感じのヴォーカルのハードコア(ブラッケンドってほどでもない)。ものすごい勢いで突っ走る曲が、まず痛快で非常にかっこいいのだが、唯一4分と長い “Invisible Man” のような、リフで聴かせるスローテンポの曲でもきちんとうねりのある演奏を聴かせいていて、ただ早いだけではないのが好印象。
Hate はもっと他の音源も聴いてみたい(けどこのバンド名じゃ検索で見つけられない・・・)。