http://picnicwomen.bandcamp.com/
大阪のトラックメイカーらしい Picnic Women が2013年1月に出したシングル。
この人の音源は『stylus ep』と『WITCHCRAFT EP』という2012年の作品で聴いた事があって、その時点でネタ感がありながらも洗練されたジュークを聴かせていた。
しかし Mariah Carey と Boyz II Me nの “One Sweet Day” をネタにしたという本作の表題曲は(っていうかこの記事で指摘されているの見るまで全く気がつかなかったので、すげぇやられたって思いましたですよ)、さらにその洗練が進んでいて、冒頭のギターとピアノの美しさや、声ネタが多い事もあって、ほとんどポップな R&B といってもいいものになっている。ただゆったりしているようでも細かく動いているベースラインや、走るスネアがジュークである事を主張していて面白いし、スクリュー的な遅回しが多い中、声ネタのピッチを上げて使っているのにもにやりとさせられる。
2曲目の “Black Bave” は疾走感のある声ネタとシンセが気持ちいジュークで、これも魅力的なのだが、それよりも面白いのが3曲目の “African” 。タイトルから想像するアフリカ音楽的なものではなく(多分使ってる声ネタがタイトルの由来なのかな)、冒頭こそいかにもジュークといった感じなんだけど、途中から一転四つ打ちになる底抜けに楽しい曲。それでいてネタを含めた上モノの柔らかさはソウルやファンクのようでもあり、高速のキックとユーモラスな音色のシンセが絡んでひたすら上がる感じはハッピーハードコアみたいでもあり、でも総体としてはシャンガーン・エレクトロに近い感じもあったり(あそこまで早くないけど)、色々な要素が感じられるのも興味深い。