http://www.pets-recordings.com/
Catz ‘n Dogz と Martin Dawson によるコラボ・ユニット Different Marks が今年の6月にフリーで発表したアルバム。リリースは Catz ‘n Dogz のレーベル Pets Recordings から。
Martin Dawson という人は今回はじめて名前を聞いたのだけれど、昨年の11月に他界されているとの事。ただレコーディング自体はその直前に全て終了しており、無事リリースされたのが本作。
またその他にも Ben Westbeach に Paul Randolph 、Glimpse など、様々なアーティストが参加しており、かなり豪華なアルバムになっている(なんで無料なのかはよく分からないけれど)。
普段ミニマルなテック・ハウスを作る事の多い Catz ‘n Dogz が、これだけのアーティストと一緒に組んで、どのような作品を作るのかちょっと想像つかなかったんだけど、乱暴にまとめてしまうと、今どきの洗練されたエレクトリック・ミュージック。
なんて書き方するとあまり良くない感じがするし、実際この手の作品は失敗作の方が多いのだけれど、今作は艶かしい女性ヴォーカルが乗るディスコっぽいハウスの “SHINY PENNIES FEAT. CARI GOLDEN” に始まり、2ステップを思わせるリズムの “INTO THE NIGHT FEAT. MAMA” 、四つ打ちのリズムの上で Paul Randolph が泥臭い歌を聞かせる R&B の “LAVENDER LADY” 、ダブステップとは似て非なるダウンビートからどんどん曲が展開していく “LONELY IN MY ROOM” など、多様性がありながら、どの曲も完成度が高い。
中でもアコースティック・ギターと柔らかなヴォーカルが絡み合う “TO BE WITHOUT ME FEAT. GLIMPSE” は本当に美しい。
検索した感じ、日本では全然話題になっていないみたいだけど、これは普段 Catz ‘n Dogz の動きを追っていない人にも聴かれるべき作品だろう。
ちなみにフリーの作品といえども高音質で楽しみたい、という贅沢なお方は Juno から落とすといいかと。