http://www.myspace.com/crystalcastles
カナダ出身の男女二人組みユニットのファースト。
ニュー・レイヴなるタームが聞かれるようになって以降、ダンサブルなロックやポップ、もしくわポップなダンス・ミュージックが山のように出てきていて、このユニットも大枠ではその中に納まるものなのは間違いない。しかしその中でも Crystal Castles を私が特に魅力的に感じるのは、瞬間的な沸点の高さにばかり目がいきがちなダンス・ミュージックにあって、むしろそれ以外の、一見何もない部分をどうやってもたせるかの方が大事である、ということを分かっているからで、例えばこのアルバムでは “Alice Practice” や “Xxzxcuzx Me” といった曲で、いかにも今らしいエレクトロ・パンクを鳴らしているかと思えば、一方でノスタルジックなシンセの音色を配したエレ・ポップが作品の大半を占めていて、作品全体で非常に静と動のバランスが取れた内容になっている。中でも、 “1991” と “Reckless” という2曲のインストは、分厚いシンセの音色が心地よく、普段テクノやハウスを聴いてる耳でも充分魅力的。
やはり普段ミニマルやダブ・ステップなどのダウナーなダンス・ミュージックを聴いてるものからすると、あまり躁状態の続くものは疲れてしまうんだけど、このユニットは聴いていてとにかく楽。それでいてエッジも失われていなくて、こういうユニットがもっと話題になってほしいなぁ。