http://www.j-storm.co.jp/arashi/
あれは確か『A day in our life』をリリースしたときではなかったかと記憶しているのだけれど(だから多分2002年頃)、 remix 誌で編集部の木下さんが、「嵐を聴いて、 J-POP にもようやくライミングの概念が浸透してきたのを感じた」、というような事を書いていたのが非常に印象に残っています。
そして、私が嵐を本格的に聴くようになったのは昨年のアルバム『Time』からなんだけど、そのときに一番驚いたのも櫻井君のラッパーとしての素晴らしさだったりします。
もちろん櫻井君が、他の本職のラッパー(という表現が適切かどうか分からないけど)も目を見張るほどのスキルを身につけている、というわけではない。しかしそれでもきちんと押韻の感覚が身についているのは、実際聴いてみればすぐ分かるし、それ以上に重要なのは、彼のラップは嵐の楽曲の中において、違和感がないということ。
違和感、とかくと多少語弊があるかもしれないし、そもそも同じグループ内なんだから違和感がないのは当たり前、と思う人もいるかもしれない。でもシンガーとラッパという組み合わせのグループやユニットは数多くあれど、歌の内容と関係ないラップばかりを繰り返す人たちが多い中、櫻井君のラップはきちんと歌の内容を受けたものになっていて、楽曲の中でアクセント以上の役割を果たしているばかりか、詞世界をより広げているものも少なくない。
中でも『Happiness』のカップリングの “Still…” での、大切な人との別離と再会を歌ったこの曲での、切なさを胸いっぱいに吸い込みながらも、未来への希望を感じさせる力強さも持った櫻井君のラップは、昨年聴いたラップの中でも最も素晴らしいものでした。
そして嵐にとって8枚目となる今作の初回盤には、各メンバーのソロが収録されていて、その中でもやはり櫻井君の “Hip Pop Boogie” が最高。
この曲はタイトルの通り、ファンク調のトラックのポップなヒップ・ホップで、その上で語られるのは、ヒップ・ホップによくあるオレ自慢。しかしここでの櫻井君の口調には、この手の曲によくある威圧的な雰囲気が微塵もなく、自らの現状と、さらに未来の素晴らしさについて、時々鋭い言葉を挟みながらも、あくまで軽やかに歌い上げる。
そして曲の後半、今までの軽やかさを保ったまま、彼はこう歌うのである。
「何か違うと思わないかい?
あんな大の大人が
罵り合い大会なんて僕らは見たくないんだい
こうなりゃもう・・・ そう咲き乱れる
本業の方々顔しかめる温室の雑草がマイク持つ RAP SONG」
果たしてここでいわれる「罵り合い大会
」というのが、 ULTIMATE MC BATTLE などのフリースタイル・バトルのことを指しているのか(相手を負かすという性質上、どうしても対戦相手に対する罵詈雑言が多くなる)、それともシーン全体のことを指しているのかは分からない。しかし現在の日本のヒップ・ホップに退屈さを感じる人間としては、思いも寄らない方向から、現状に対してはっきりと異を唱える声が上がったのは痛快そのものだし、櫻井君がこのまま成長して、本業の方々も無視できないような存在になったら、こんなに面白いことはない。
まぁ根本的な問題として、わざわざ初回盤を買うようなコアな嵐のファンの中で、この歌詞の意味を掬い上げられる人が、一体どれほどいるのかという気はするんだけど、それでも私は櫻井君を絶対支持します。
アルバム全体については一切触れていませんが、ん~・・・・、気がむいたらそのうち書きます。
櫻井くんのラップは、本格的かどうかというより、独特な味わいがあるよね。まあラップのこと、そんなに詳しくないんですが。
どのコンサートDVDだったか忘れたけど(二番目か三番目に出たやつかな)、ちゃらい兄ちゃんたちが「嵐ってアイドルでしょう」みたいな映像が流れて、それに反発するように、おれはラップもヒップ・ホップのダンスもできるぜ、といわんばかりにふんばる櫻井くんのソロ・パートが超好き。
あと、youtubeで↓の国分くんの番組見て、KAT-TUNの田中くんが、まあ本音かどうかはわからないんだけど、櫻井くんをパイオニアと認めてる発言をしているのは嬉しかったな。
http://jp.youtube.com/watch?v=4zz-aY4GwTo&feature=related
>もりたさん
あんまり考えた事なかったけど、確かに櫻井君はパイオニアだね。
昔はラッパーのいるグループなんていなかったもんなぁ。
それにこのインタビューもなかなか面白い。
これは他の人のも全部見てみたいぞ。