http://www.nilspettermolvaer.no/
ノルウェーのトランペッター Nils Petter Molvaer の、今まで担当した映画音楽を集めた編集盤。
彼が大胆にエレクトロニクスを取り入れた『Solid Ether』を出して、 Jazzland なんかとも共振するように話題を集めたのが2000年前後。それからすると、今では作品出してもそれほど話題になることはなくなってしまいましたが、このアルバムはなかなかの好盤。
私はその『Solid Ether』とその後に出た『NP3』は一応聴いたことあるんだけど、両方ともドラムン・ベース的な性急なビートが目立って、いかにもエレクトロニクスを取り入れてみました、みたいな感じがあまり好きになれなかった記憶がある。
しかし今作は映画音楽なせいか、全体的にゆったりとした曲がほとんどで、その中でもエレクトロニクスが表に出すぎることなく、しかし実に効果的に使われている。中でもくぐもったブレイク・ビーツが静かに曲に躍動感を与えている “The Beginning” 、改めてダブとトランペットの相性の良さを感じさせてくれる “Arctic Dub” 、重厚かつトライバルなビートが印象的な “Leaps And Bounds” なんかはかなり良い。さらに Nils Petter Molvaer のトランペットも、哀愁を漂わせながらもいい意味で曲の一部として機能していて、それも私には好印象。
けっこう秋の夜長に聴くにはいい一枚かも。