ちょっといっぱいというほどの数にはならないなぁ、と言い訳してみたり。
その名の通り TEMPA のコンピレーションの第5弾。
ダブステップが今すごい速さで進化、拡散しているというのは、私が今更書くことでもないんですが、今作もレーベル・コンピという枠に収まらずに、様々なタイプのダブ・ステップが納められている。
中でも一番面白かったのは、 Pinch の “Motion Sickness” で、比較的オーソドックスなダブ・トラックの上で、パルス音のような上モノが痙攣でもするかのように細かになる曲で、その上モノが生み出す浮遊感が非常に中毒度が高い。さらにその上モノがだんだんピアニカみたいに聴こえてくるのも面白い。
他にもタイトなリズムと扇情的なシンセで盛り上げる Seven 、今回も2ステップっぽいダブ・ステップながら非常にダンサブルな TRG 、最近のレイブっぽいノリとは違い、シンプルなトラックながら、ゆえに彼の音作りの上手さが感じられる Skream 、洗練された音使いでポップに仕上げた Luke.Envoy 、どんどんと沈み込んでいくようなディープなダブステップの Ramadanman と、どれも方向性はバラバラながら水準はきわめて高い。
冒頭の繰り返しになるけれど、現在のダブステップを俯瞰してみれるという意味でも、非常に秀逸なコンピです。