Matthew Dear が別名義の False で2007年に発表したアルバム。以前Plus 8 からリリースしたアルバム(過去記事)はシングルの編集盤だったので、今作がファースト・アルバムということになるかしら。
元々False という名義は、 Matthew Dear が AKUFEN などからの影響を吐き出す為のものとして始めたと、以前インタビューで言っていたけれど(それは先の編集盤を聴くとよく分かる)、今作はジャケット同様味も素っ気もないディープ・ミニマル。
多分普段この手のミニマルに接していない人からすると、まるで何か苦行の類なのかと思えるほど、これといった展開もなく、何も起こらないまま淡々と進んでいく。しかしその最初から中盤辺りまでのゆったりとした流れを経て、それが後半大きなうねりへと変化するさまは、これぞテクノの真骨頂とでもいいたくなるほど素晴らしいもので、またその熱をゆっくり冷ますかのようにゆったりとした流れに引き戻す最終曲 “FORGETTING” も実に秀逸。
また何回も聴いてみれば、後半のグルーヴも、それまでのトラックも非常に丹念に作られていて、ただ機能的なだけではない、作品性の高いアルバムだというのがよく分かる。
流行り物のミニマルとは一線を画す、時代を問わず聴ける傑作です。
- 2007
- False
- Minus 2007-08-07
- 曲名リスト
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- Indy 3000
- Meat Me in the Markt
- Warm Co.
- Timing
- Alright Liar
- Plus Plus
- Face the Rain
- Dollar Down
- Disease/George Washington
- Act Like Children/Excalibur
- In the Heather
- Fed on Youth/HLM/DLG
- Stomachs/Ankle Biter
- Forgetting
by G-Tools , 2009/03/01