昨年『ミュージック・マガジン』で紹介されているのを見てからずっと探していた1枚。
一頃と違ってジャズやジャズランドに対する興味もだいぶ薄れてきていたんだけど、この人だけはやはり外せないですね。まぁ、それだけ前作の『Light Extracts』が素晴らしかったという事なのだけれど、このアルバムはその前作さえも上回るんじゃないでしょうか。
基本的にはジャズとエレクトロニクスの融合という路線に変わりはないんだけどれども、いちいち「混ぜてみました」的な不自然さが微塵もなんですよね。
繊細なギター(説明し忘れたけどこの人ギタリストです)のサウンド・スケープが美しい1曲目にはじまり、シンク・タンクの『JAZZ NINO』
をヒップ・ホップに引き戻したかのような2曲目、疾走感のあるブレイク・ビーツの上をギターがうなる3曲目と、1曲として外れがない。
それにこの人の場合、ソロイストにありがちなプレイヤーとしてのエゴをあまり出さないで、あくまで楽曲の完成度のこだわっているのもまた素晴らしい。正直何曲かは彼のギターがなくても成立してしまうのではないかとさえ思えるんだけど、そんな曲でもさりげなくギターが自己主張していて、ちゃんとプレイヤーとクリエイターの部分のバランスが取れてるんですよね。そういった意味では私の大好きなスティーヴ・ヴァイに近い印象も。
あとこの人の場合、ジャズ・ギタリストにしてはギターの音が太いんですよね。個人的にジャズ・ギターのクリーン・トーンの「く~ん」って音が苦手なんで、そこら辺もポイント高いです。
なんか久々に絶賛しまくってるけど本当に素晴らしいアルバム。去年のうちに聴いていたらベスト・アルバム候補だったのではないかと。
Connected Eivind Aarset Universal IMS 2005-01-31 |