RHYMESTER というグループは、所謂日本のヒップ・ホップの第一世代と呼ばれる人たちの中でも、バウンスや生バンドとの競演など、より巧みに時代の音を取り込んできたという印象が強いのだけれど、久しぶりのシングルとなる今作は、グループの長い歴史の中でも初となる外部プロデューサーという形で Bach Logic が起用されている。
これを「さすが旬のプロデューサーを起用している」と取るか「今更」と思うかは人それぞれだと思うんだけど(私は当然後者)、勇壮なブラスが響くトラックの上に乗る宇多丸と Mummy-D のラップはいつも以上にエモーショナルで、これも SEEDA や NORIKIYO など下の世代を意識してのものなのだろう。
しかし肝心の曲の方は、どこかで聞いたことのある言葉ばかりが並ぶ応援歌でしかなく、新鮮味などというものは全然感じられないし、何の因果かここでの2人のラップは、どこぞの「ミスター・アブストラクト」の現在の語り口にそっくりだということに彼らは気がついているのだろうか。
- ONCE AGAIN
- Rhymester
- KRE 2009-10-14
- 曲名リスト
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- ONCE AGAIN
- 付和Ride On
- B-Boy+Girlイズム feat.COMA-CHI (Live in SUMMER SONIC 09)
by G-Tools , 2009/11/29