あまり実感のない、とかくフワフワとした人気を集めている事から馬鹿にされがちな EXILE なんですが、基本足し算の音楽とされる J-POP の中にあって、ひたすら拡大路線を続ける EXILE はそれだけで評価できると私なんかは思っていて、彼らには「テニスの王子様」に近い面白さを感じるんですよね。
そして今作も、9曲入りとアルバムサイズにもかかわらず、「ダブルマキシシングル」とシングルであると言い放つ辺り、どこかの誰かさんと違ってブレがないなぁ、とは思いつつも、それが音楽的な面白さにもつながっているかというのは別の話で、ほとんどが爽やかなダンス・ポップか甘いバラードで、その手の曲は総じて退屈。
しかし先のワールドカップ日本代表サポートソングである “VICTORY” は、音楽性度外視で勇壮な男声コーラスやラテン・パーカッションなど如何にもな記号をちりばめた、分かり易過ぎるくらい分かりやすいさすがの出来だし、自身の代表曲の改作である “24karats STAY GOLD” はド派手なヒップホップ・トラックが彼らによく合っているし、ほとんどのラッパーの売り上げが下がる一方のこのご時世では、ブリンブリンな雰囲気を纏える唯一のアーティストではないか、なんて事まで思ってしまう。またいつも通り意味性を一切排し、ヒップホップ的な空気のみを撒き散らす DOBERMAN INC の仕事も素晴らしい。
あと Bach Logic が1曲インストを任されていて EXILE からの信頼の厚さがうかがえるが、これが10年遅れのデジタル・ロックみたいなトラックで何ともかんとも。まぁ興味のある方はどうぞ。
- FANTASY
- EXILE
- rhythm zone 2010-06-09
- 曲名リスト
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- VICTORY
- 24karats STAY GOLD
- 願い
- 掌の砂
- GOING ON
- My Station
- Make It Last Forever
- MONSTER
by G-Tools , 2010/07/31