http://www.foundsoundrecords.com/
以前買った盤で放置されたままのが大量にあるので消化せねばね、ということで、フィラデルフィア出身のプロデューサー Someone Else が2007年に発表したファースト・アルバム。
私が彼の作品をはじめて聴いた Musik Krause からの『Ball Lickin EP』は Robag Wruhme の亜流のようであったし、その後に聴いた『Fresh Air』ではハードなテクノ、それ以外にも急にディープになったりと、どうもこの人の作風ってイマイチつかめずにいたので、今作に関してもとっ散らかった内容になるのではと思っていたんだけど、アルバムという事を意識したのか統一感のある仕上がりになっている。
それは彼の作る音がマイクロ・ハウス、なんて呼ばれるだけあって非常に緻密に組み立てられたクリック・ミニマルなのだけれど、深みのある音響構築とユーモラスな上モノ、という点でどうしても Robag Wruhme の影響が強く感じられて、いささか没個性な作品に聴こえる。
フロアユースなグルーヴのたくましさであったりサンプリングの気持ちよさだったりと完成度自体は高い分、そこが非常にもったいない。