iPod の容量がいっぱいになりそうなのでてきとうに。
Cadenza から『Tips』というダブルパックをリリースしているルーマニア出身のプロデューサー Petre Inspirescu が、同じくルーマニアの Rhadoo と主催するレーベル [a:rpia:r] 2009年末に発表したファースト・アルバム。
Cadenza 関連のアーティストというとパーカッションを多用したミニマル・テクノと相場が決まっていますが、今作もご多分に漏れずパーカッション使ったミニマル・テクノ。
しかし陽性な雰囲気の作品の多い Cadenza に比べると、今作のトーンは終始抑え目で、なおかつあまり展開もなく非常にそっけない。
だがほとんどの曲が10分超という長尺の中で(アルバムは6曲で80分!)、じっくりとじっくりとグルーヴを体へと浸透させていくトラックは、これぞ正にテクノといったもので、一旦はまると何度でも聴きたくなる魅力をもっている。
またどの曲にも 4/4 からは外れるようなリズム感の音を忍び込ませる事によってグルーヴにふくらみを持たせているのも面白い。
ecrn award にも書いたんだけど、 Cadenza 系のアルバムでは決定打ともいえる素晴らしい作品ではないかと。