イギリスはペッカム出身のシンガー・ソングライター KATY B さんのデビュー・アルバム。
私が彼女の名前を知ったのは昨年 のデビュー曲、”Katy On A Mission” でなんですが、そのトラック作っていたのが Benga だったので、所謂ダブステップの歌姫的なものを想像していたんだけど、アルバム通して聴いてみるとちょっと違う印象ですかね。
まずアルバムの1曲目の “Power On Me” がいきなり四つ打ちなので、ダブステップの印象が強いと、あれ、ってなってしまうのですが、それ以降もドラムンベースだったりハウスだったりファンキーっぽかったりと、様々なクラブ・ミュージックのスタイルのトラックの上で歌っていて、何か一つのシーンを代表する、っていう感じではない。
またそのトラックにしても、上に挙げた Benga 以外にも、 Skream や Zinc など知っている人が製作しているのだけれど、彼らがソロで作っているようなクラブ・トラックというわけではなく、あくまで KATY B のヴォーカルが中心になるように作られていて、ようは今作って使っているビートが多少新しいだけで、本質的には普通のポップ・アルバムなんですよね。
そうなってくると KATY B の歌にしろ曲にしろ、別段悪いものではないものの、かといって特筆すべき点があるわけでもなくて、これだったらクラブ・ミュージック的に振り切れた方が面白かったんじゃないのかなぁ、と思ってしまう。
まぁそれでも聴きやすい作品なのは間違いないので、ダブステップなんかの入り口としてはいいのかなと。