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ポストダ・ブステップ、という言葉がいったいつから使われだしたのか、という正確な起源とかは知らないんだけど、2、3年前位にウォブルベースをでかく鳴らしただけの安易なダブステップが目立ってきた辺りに、それらとの差別化を図る為に使われだした、という印象があります。
しかしウォブルベースをでかく鳴らしただけのダブステップが、ブロステップという名前でアメリカでも知れ渡り、代表アーティストである Skrillex はグラミー受賞という(しかもかしゆかと秋元才加が好きだと公言してやがる)、ある種の成功をみせたのとは対照的に、ポスト・ダブステップは、そもそもが何か具体的なスタイルをさす言葉ではなく、文字通りダブステップの次を表すものだったせいもあり、未だ明確な答えというものを出せていないように思えます。
逆にいえば、だからこそ色々なスタイルのものが出てきて面白い、ともいえるんだけど、ポスト・ダブステップの代表アーティストとして名前を挙げられることの多い Scuba の3枚目のアルバムとなる今作は、かなり突き抜けた変化を聴かせるものになっています。
彼は元々テクノ的な音作りをする人で、実際 SCB という別名義で四つ打ちやってたりするんですが、今作はそこからさらに変化して、エレクトロ・ハウス的な意匠がほどこされた曲が非常に多く、まぁ端的に書けばポップになっている。
この方向性自体は彼の作る抜けのいい音と合っているし、結果的に今までの Scuba の作品からはあまり感じることのなかったファンクの要素も感じられて、それなりに面白くはあるものの、正直 Scuba がやらなくても、という感じだし、私の音の好み的にもいささかきつい。
なのでこの作品自体はあまり積極的に聴く気にはなれないのだけれど、ブロステップ方面にいかずに、ここまでポップな作品を作った人はあまり知らないし(そもそもこれがダブステップか、というのはあるんだけど)、そういった意味では今作が売れることによってこれからダブステップがどう変化していくのか、というのは興味深いので、案外数年後振り返ると違った意味を持った作品になっているかもしれない。
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