MEXICO/BIT SUITE(TOKUMA JAPAN)CD

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http://www.azamiso.com/

なんか気がつけばこのアルバム、発売から1ヶ月以上経っちゃってるんですね。
最初はアルバムの発売日である6月28日にあったリリース・パーティに行ったんで、それと絡めて何か書こうかと思ったんだけどもう詳細覚えてないや。なんでパーティ・レポ見たい人は一緒に行った yota さんのブログ見てください。

でもってですね、最初は早めに記事書こうと思ってたのが何でこんなに遅くなったのかというと、まぁ最近色々とやる気減退中なのが一番大きいんだけど、それを抜きにしてもこのアルバムっって、どうも自分の中で評価が定まんないんですよね。
でもせっかく催促も受けた事なので、まぁとりとめもなく書いてみます。

FROGMAN のサブ・レーベルである U.S.B. からデビューし、『PARK AVENUE』『Forgiveless』という2枚のアルバムで高い評価を受けた Mexico 。そしてこの『BIT SUITE』は満を持してのメジャー・デビュー作になります。

でもってこのアルバム。聴く前になにやら賛否両論らしいという話を聞いていたので、てっきりメジャー・デビューを機にR&Bにでも転向でもしたのかと思ってたんだけど、聴いてみたら勿論そんな事はなかったです。
しかしそこまで大胆なものではないにしても、このアルバムには明確な変化の意志というものが感じられて、前半には初の試みであるゲスト・ヴォーカルを起用した曲、そして後半には今までのテック・ハウスからはみ出したような曲が並んでます。

で、最初聴いた時どうにもこの構成が中途半端に思えたんですよね。前半のヴォーカル曲というものは勿論メジャー・デビューというものを意識してのものだろうし、後半のトラック群は今までのファンを意識してのものなんだと思います。でも個人的にはせっかくのメジャー・デビューなんだから、もっとヴォーカル曲増やしてポップに振り切れても良かったんじゃないかと。なんか宣材文とかレビュー見ると、回りもポップ・フィールドに切り込む事を望んでるふしもあるし。
でも後半の畳み掛けるようなダンス・トラックの盛り上がりを聴くと、本人としては本当にやりたいのはこっちなんじゃないのかなぁ、なんて気もして、だったらもっとディープなアルバムにしても面白かったんじゃないかと思います。なかでも “Bitsuite Sky” は、伊達に Sleeparchive 廻してないですねぇ~、なんて言いたくなるようなミニマル・テクノでかなりかっこいいし。

そんなこんなで多少の違和感を感じながらも何回か聴いてたんだけど、回数聴くうちに不思議とそこら辺が気にならなくなったんですよね。というのも前作(過去記事)発表以降から始めたDJの影響なのか曲順がすごく良くて、特に前作からの改訂版である “Defenitive Moment(Sweetedit)” という大作を真ん中に置いているのが効いているように思います。だから方向性がどうとか考えずに1つの流れとして聴けてしまえます。

だったらこのアルバムは傑作で大絶賛!、っていう所に落ち着けばいいんだろうけど、それとはまた別の違和感というものが残っていて、それは何なんだろうと考えてみると、どうもこのアルバムってパキッとし過ぎなんですよね。

『PARK AVENUE』の頃の彼の音作りって水墨画、というのは言い過ぎとしても、いかにも日本的な淡さというものを持ったモノトーンなテック・ハウスで、そこが私にはすごく魅力的だったんですよね。その後の『Forgiveless』もそこから色彩感を増した作品だったけど、今作ではその色彩感がよりはっきりしたものになっていて、そこがどうもしっくりこない気がします(ジャケの色使いの変化がものすごく象徴的)。
まぁシンセの使い方だったり音響構築であったりの Mexico らしさが失われているわけではないので、変化の一つとして受け止めるのが普通なんだろうけど、自分としてはそう受け取るには大きすぎる変化だなぁ。それにこちらに淡さを感じさせる大きな要素の一つである本人のヴォーカルが、最終曲でしか聴けないというのも、パキッとした印象に拍車をかけている気がします(でもこの印象というのも1枚目と2枚目どっちから聴いたのかで違うと思いますが)。

なんか過渡期的なアルバムなのかなという気もするし、単に自分が変化についていけてないだけなのかという気もするし。基本的に好きなアルバムなのは間違いないので、さらに聴き込めばまた印象も変わるかと、少しのモヤモヤを抱えながら聴いてます。

でも18日の CYCLONE は楽しみにしておりますよ?ふふふ・・・。

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あっ、あと購入特典の『材木町』はノン・ビートのエレクトロニカ。彼のまた違った一面が聴けて興味深いんだけど、どっちが前でどっちが後なのか分かりません。

BIT SUITE
MEXICO
BIT SUITE
曲名リスト
1. pH
2. Sweetie
3. Losingeverything
4. Definitive Moment(sweetedit)
5. In Her Eyes
6. Bitwalk
7. moom moom
8. Bitsuite Grand
9. Bitsuite Sky
10. Bitsuite Space
11. The Bitter End

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6 thoughts on “MEXICO/BIT SUITE(TOKUMA JAPAN)CD”

  1. > 本人としては本当にやりたいのはこっちなんじゃないのかなぁ
    これは賛成です。同意見です。

    あと、私も1stから聴いてるので淡い雰囲気からの変化は感じるのですが、
    バキッとしながらもこんな気持ち良い音出してるひとは他にいないなあ
    という気がするので全然オッケーです。

  2. どうなんでしょうねぇ?
    そんなどうこういうほどの変化でもない気はするんですが。

    多分これのリリース前に mixi で配布してた『PARK AVENUE』のノン・ミックス・ヴァージョンをよく聴いてたのも関係してるのかなと。

  3. 何もこんなところで、とは思うのですが
    僕としては実際に買ってくれる人たちの方が大事なので、
    一番ディープな話を書きます。

    まず基本構想として、僕の中で最初期にあったのは
    自分が全て歌唱しているポップアルバムでした。
    しかしクライアント側(敢えてどこの誰とは言いません)の主張は、
    「歌う必要は無い」「歌で評価されているとは考えていない」
    「そもそも歌はうまくない」
    「前作収録のslowdown等も他の人間が歌った方が良いと思った」
    大体要約するとこういった感じでした。

    そもそも僕の作る歌はとても特殊です。
    スティングの作曲法(サビだらけ)を更に単純化しギリギリのアドリブを
    乗せているような感じなんだと思っています。
    つまり、上手い人が歌って映える歌ではない場合もあるのです。
    歌物に関しては自分用に特化した楽曲だと思いますよ。

    ともかく僕は落ち込み、
    更に前作収録の楽曲も2つ入れることになり
    作曲家のエゴとしては我慢ならないものがありました。
    現在bitsuiteとなっている連曲も、この名義では発表する気はありませんでした。

    歴史的観点から見れば後年「過度期のアルバム」とされる事は必死でしょう。
    僕は満足しています。
    内容もさることながら、難しい状況を反映させなかった
    自分への、満足です。

    ご購入有難うございました。
    サイクロンでお会いしましょう。

  4. ん~、本当にディープな話でちょっと答えに窮してしまう感じなんですが。

    やっぱりメジャーだと色々しがらみが多いということなんですかね。でも「歌で評価されているとは考えていない」っていうのは絶対違うと思いますけどね。そんなのはファンの人の意見を聞けば明らかですよ!

    この記事も最初は批判めいた内容なんでどうしようか迷ったんですけど、自分としてはきちんと誠意を持って書けたと思うし、だから mexico さんもこんな深いお話を書いてくださったんだと受け取っています。

    CYCLONE 楽しみにしてます!!

  5. 上のmexicoさんの書き込みを読んで納得と言うか、
    何で自身のヴォーカル1曲しか入れなかったんだろうと
    不思議に思っていたのですが、
    入れなかったんじゃなくて入れられなかったんですね。
    > 自分が全て歌唱しているポップアルバム
    これファンは絶対聴きたいでしょう。
    なんか、酷い話ですよね。

  6. >これファンは絶対聴きたいでしょう。

    そうですよね。
    私なんかむしろ歌に専念したアルバムも聴いてみたいくらいなんですけどね。

    ポップアルバムもいつか実現できる事を願っております。

    PING:
    TITLE: Mexico – Bit Suite (Tokuma Japan Communications/2006)
    BLOG NAME: acid over the rainbow
    今週、デジ一(注:”でじー” じゃないですよw、”でじいち” =デジタル一眼レフカメラです)を衝動買いしました(本当はちょっと前から買うつもりで色々調べてたんですけど)。一昨日の夜に届いたばかりなのでまだ使い方もよく??

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