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個人的にアンダーグラウンド・ヒップ・ホップに関心が強かった時期と、fat jon が注目を集めていた時期が同じだったので、彼のグループである five deez のデビュー・アルバム『Koolmotor』はなかなか思い入れの強い1枚なのだけれど、その後 fat jon がベルリンに移住してから制作された『Kinkynasti』は変に明るいファンキーな作りになじめず、イマイチしっくりときませんでした。
なので3年ぶりとなる今作は期待半分不安半分といった感じだったのだけど、結果からいうとこれはかなりの傑作。
まず1作目を思わせるジャケに嬉しくなってしまうのだけれど、作品の方も彼ら独特のひんやりとした空気感が戻ってきていて、それでいてヒップ・ホップが本来持っているような陽性のヴァイブをギリギリのところで保持していて、もう流石。そしてトラックの方もベルリン移住の影響か、エレクトリックな要素が強まり、驚く事にバウンスなんかやってる曲もあるんだけど、以前のジャジーな感じも依然強く、全然無理がない。そしてバックで鳴る空間的なシンセの美しさというものは、やはり他のヒップ・ホップのアーティストではなかなか味わえないもの。
一時期の fat jon の作品乱発のせいもあり彼らに対する関心って低くなってたんだけど、これはそんな評価を覆して余りある傑作!
Tracklist
『kommunicator.』(RR053CD)
01. Kommunicator
02. Fugg That
03. Let The People Know
04. Black Rushmore
05. Whe The Silence Is Gone
06. So Good
07. Fifth Degree
08. BMW
09. From Sorrow
10. Sapphire
11. The Last Time