どうも初期の印象が強烈過ぎて、未だに Cocco というと「激しさ」や「怨念」みたいな言葉が浮かんでしまうんだけど、当の彼女はそんなものは昔の話とばかりに、歌そのものの素晴らしさを追求している、というのが活動休止前に感じたところでした。
そして活動再開後のソロ・アルバムとしては初となるこの作品はさらにリラックスした印象を受けます。まずどこか “Born Slippy” を思わせるイントロの “音速パンチ” からして、その突き抜けたポップ感にビックリするんだけど、それ以降も以前の張り詰めたような感じはどこにもなく軽やかな曲が目立ちます。そして私はそこに物足りなさを感じてしまいます。
デビュー当初はひたすら自分の吐き出したいものを曲にぶつけていた彼女が、純粋に歌そのものに近づいていったのは良かったと思うんだけど、今の彼女は結局、それ以降歌の表現の核となるものを見付けられていないのではないかと感じてしまいます。だからせっかく良曲揃いなのに、イマイチこちらに届いてこなくてなんだか複雑な気分。
まぁ現在の活動ぶりからすると、再び活動休止とかはなさそうなので、これからの変化に期待したいところです。
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01. 音速パンチ
02. 暗黙情事
03. 夏色
04. Beauty C
05. 四月馬鹿
06. Swinging night
07. 野火
08. 唄い人
09. 愛うらら
10. インディゴブルー
11. 陽の照りながら雨の降る
12. Happy Ending