とうとう始まる THA BLUE HERB の第3章の口火を切るシングル。
前作の『SELL OUR SOUL』からは5年ぶりとなるわけですが、その間サントラやコンピ、別ユニットでの活動があったので前作ほどの待望感というものはないものの、その分課外活動の影響が本隊にどう刻まれるのかが全く予想がつかなかったんだけど、正直『FRONT ACT CD』のような衝撃は無い。
ちょうど活動休止の直前に出たコンピ『ONLY FOR THE MIND STONE LONG』に収録された3曲は、O.N.O のテクノ志向が端的に表れた曲だったけど、今作の2曲も同様の方向性で素直に進化させた感じ。しかしその完成度は凄まじく、コズミックな感覚を漂わせながらもどっしりとしたトラックと、スタイルとしては比較的オーソドックスな BOSS のラップとの組み合わせは最高。正直前作では O.N.O の変則ビートは BOSS とのラップがイマイチ噛合ってない感じがして不満だったんだけど、今作でのヒップホップに軸足を置きながらもデトロイト・テクノの影響色濃いトラックというのは、世界的にみても例をみないものではないでしょうか。
しかし少なからず不満が無いわけでもない。
「オレたちのうみ出す闇はそんなに暗いか」とは “時代は変わる” の一節だけど、ここでは以前のような闇、言い換えれば、抜き身の刀のような有無を言わさぬ圧倒的な凄みがイマイチ感じられないのよね。それは『SELL OUR SOUL』以降徐々に薄れてきた部分ではあるし、逆に BLUE HERB にスピリチュアルな部分を求める人達には歓迎される変化なのかもしれない。でもその部分がなくなると、 BOSS の別ユニットでの活動との違いが殆どなくなってしまうように思える。
まぁそれを気にしなければ出来自体には何の不満のないシングルだし、この2曲に彼ららしい闇が加わったらと思うとアルバムが楽しみでしょうがない。
- PHASE 3
- C2C4
TBHまだ聞いてないや。楽しみだな~。
E.H.Hはもう聞かれましたか?志人もなんかアジテート過剰になってきてますよね。
しかしshooterさん初め音楽聞いてキッチリ消化して的確にアウトプットできる人ってすげえなぁといつも思います。
あ、音源買う量もすげえなぁって
別ユニットでの活動ってのがなんとなく
(リミックスにフランソワ使う感じとか、
簡単に4つ打ちに行き過ぎる感じが)おもしろく
なくて全然きいてなかったのですが、
今回のシングルは楽しみで、はやくききたいです。
あとSell or Soulじゃなくて、Sell our Soulですね。
細かくてすいません。
>3moles さん
この記事は自分としては久しぶりに納得のいく出来になったので、褒めていただけると素直にうれしいっす。
E.H.H はまだ聴いてないです。この前レコ屋で流れてるの聴いた時に、その音の悪さに買うのを躊躇してしまいました。
もう一度試聴しなおしてみますね。
>りょうへいさん
げげっ!本当だ、間違えてる。至急訂正しておきます。
私も個人的に BOSS の無邪気なハウス愛ってあんまり好きじゃないので、もっと明確な差別化がほしいところです。