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Soulphiction こと Michel Baumann が2012年12月に発表したシングル。
Michel Baumann というとシカゴ路線の Jackmate 、デトロイト路線の Soulphiction の二つの名義を使い、ミニマルが所謂クリック・ハウスと日本で呼ばれていた時代から活動しており、また今でも以前と変わらぬペースでリリースを続けている人物なわけですが、その才能は枯渇とは程遠い事を実感させてくれるのが本作。
ハイハットに導かれるようにパーカッションとキックがゆったりと入ってくる序盤がまずいいのだが、その後ジャジーでいながらも荒々しく力強く鳴るピアノがグルーヴを加速させる中盤、長いブレイクの後中盤とはうって変わって優雅に鳴るピアノをバックに女性ヴォーカルが歌う後半と、4分半強の曲で様々な面を見せながら、それでいてきちんとまとまりのあるハウスに仕上げていて、この人の音楽的センスには改めて恐れいる。
もう1曲の “Soul Brother No.2” は、低めのアシッドっぽい音を基調とした彼にしては珍しい感じの曲ながら、そこにピアノとストリングスを絡める事により、 SoulPhiction らしいブラック・ミュージックの色が濃いハウスになっていて、こちらも良い。
こうなってくると、以前製作中との話だった3枚目のアルバムをいいかげん聴きたいのだが、一体いつになるのだろう。