以前 Villalobos や Luciano が注目されだした頃に使われていた「チリアン・ミニマル」という言葉は、その言葉のとおりチリのミニマリストをものだったわけですが、最近聞かなくなったのはそれだけ彼らの人気が出身地など持ち出すまでもなく定着したということでしょうか。彼ら以外にチリ出身のクリエイターがいないのかというと勿論そんなことはなく、Pier Bucci との Skipsapiens でも知られる、Danieto こと Daniel Nieto もそんな一人。
これは彼がさまざまな作品をリリースしている U-COVER から昨年出た、限定シリーズのうちの1枚。
Skipsapiens の方では透明感のあるエレクトロニクスが美しいエレクトロニカを作り出していたけれど、この単独名義ではそのアンビエンスはそのままに、しかし4つ打ちのリズムを軸にしたクリック・テクノが中心になっている。そのリズムはフロア・トラックと呼ぶにはあまりにも弱々しいものではあるのだけれど、その代わりに触れれば壊れてしまいそうな繊細なメロディと、微細な音の粒子を感じさせるエレクトロニクスが溶け合うようなトラックの美しさは、何物にも代えがたい魅力をはなっている。
しかも今調べて始めて知ったんだけど、これって元々 IMPAR.CL というネット・レーベルから2004、5年にリリースした作品を纏めただけなんですね(現在はストリーミングしかできない)。確かに新しさとかはないものの、特に古さなどは感じないし、上に書いたように内容は素晴らしいの一言で、いやはや、やはりちゃんとネットレーベルもチェックしないといけませんな。
視聴
Tracklist
- Con 4th
- 0X45
- Pipombo
- No y Si (Noisy)
- Indeciso
- Retiro
- Demostenes
- Dinamientos
- Larga espera
- Atochado
- Furia Retraida
- Medular
- Adhesivo Aditivo