デビュー・アルバムが成功し過ぎると、以降影の薄くなってしまう人というのは沢山いますが、この Dj Shadow もデビュー作である『Endtroducing…』が評価されすぎたせいか、その後の活動はどうもインパクトに欠けるものに思えてしまうんですよね。それは彼の創作ペースが遅すぎるのと、アブストラクトが以前ほど注目されなくなったというのもあるんでしょうけど。
そして2006年に発表されたこの3枚目のアルバムはどうかというと、ハイフィーなる新たなヒップ・ホップのスタイルを紹介したことで注目されましたが、何の前情報もなしに聴けば、単なる今時のアメリカのメイン・ストリームのヒップ・ホップにしか聴こえないというのが正直なところ。まぁ元々このアルバムは彼なりのメイン・ストリームへの挑戦らしいから、そういう聴こえ方も問題ないのかもしれないけど、特に面白くはないです。
それよりも聞き物なのは何曲かあるロック色の濃いインストと歌モノ。前作『Private Press』のドタバタとしたドラムを前面に出したロック感って全然好きになれなかったんだけど、今作でのサザン・ロックやカントリー、ブルースなどのルーツ色濃いゆったりした曲は素直に気持ちいい。特に冒頭の “This Time (I’m Gonna Try It My Way)” は名曲。今度はこの手のアーティストと組んだコラボなんかも聴いてみたいところです。
- 曲名リスト
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- Outsider (Intro)
- This Time (I’m Gonna Try It My Way)
- 3 Freaks
- Droop-E Drop
- Turf Dancing
- Keep Em Close
- Seein Thangs
- Broken Levee Blues
- Artifact [Instrumental]
- Backstage Girl
- Triplicate/Something Happened That Day
- Tiger
- Erase You
- What Have I Done
- You Made It
- Enuff
- Dats My Part
- 3 Freaks [Droop-E Remix]
by G-Tools , 2007/06/21