http://www.something-records.com/
STL こと Stephan Laubner が2014年2月に発表したアルバム。
今作は初めて Something 以外のレーベルである Smallville からのアルバムリリースという事で話題になった(シングルは他のレーベルから出してたけど)んですが、何か気に食わなかったのか、ほぼ同内容のアルバムを Something からもリリースしていて(しかもこちらの方が1曲多い)、相変わらずこの人はよく分かりません。
ということで私はアナログを Smallville の、データを Something からのものを買っています。
この人って元々はくぐもった音色のデトロイト系のロウ・ハウスを量産していたんだけど、今作はその時期に比べると随分とスッキリした音作りのミニマル・ダブになっている。まぁスッキリしてるといっても、それはあくまで以前の STL と比べてなので、一般的なレベルでいえば十分くぐもった音色ではあるのだけれど、あの音込みで STL の個性だと思っている人間からすると、ちょっと漂白されたような印象が強い。
全体の作風としては STL らしさは十分に出ている完成度の高いものだし、歪んだ低音と甘い上モノの対比が美しい Amelie’s Dub” 、強迫観念的に次々に音が押し寄せる “Ghostly Ambit” など、いい曲も少なくはないんだけど、どうしても物足りなさを覚えてしまうのです。