ルーマニア系っていいますと、音数を絞った乾いた音色で、展開のあまりないミニマル・テクノ/ハウスを連想してしまうんですが、Șerban Ilicevici のユニットである Șerb のシングルは、そういった音を想像していると少々面食らうかもしれない。
というのも空間的に広がりのあるシンセと、動きの多いながらも太いベースは、どちらかといえばミニマル・ダブの要素を感じさせるもので、上記のような音とはかなり隔たりがあるんだけど、一方で、そういえばルーマニアって Cosmin TRG もいたな、と考えると腑に落ちる音にもなっていて、彼の地のテクノとベース系の交錯点としてなかなか興味深い。