個人的にはファーストとセカンドの間に発売された『NITRICH』と『UPRISING』も「あれ?」ってな出来だったんだけど、11月に出る3枚目のアルバムの先行シングルとなるこの作品も、なかなかに微妙な作品ですなぁ。
そもそも私は『UPRISING』ってあんまり好きな作品じゃないんだけど、それでもあの時点での Nitro の勢いをそのまま形にしたような作品の方向性は理解できたんですよ。でもこのシングルは、なんでここでサンプリング主体のトラックを持ち出したのか全く分かんないんだよね。もしかしてアメリカではサンプリングが流行ってるの?最近あっちのヒップ・ホップってあんまり聴かないから断言はできないけど、そんなことないよねぇ。 Kanye west の影響?まさか今頃 9th Wonder じゃないでしょ?
まぁこのグループってわりと気ままなイメージがあるから、これが今の自分たちの気分、って言われたら何もいえないんですが、問題なのは、ここに収められた3曲が、ファーストのアンダーグラウンド色とも、セカンドのバウンスともまた違った説得力を持っているかというと、そうとは思えないところなんですよね。
この3曲はアルバムの色とは違うものを集めたものだ、という考え方も出来るけど、アルバムにも収録される “DEAD HEAT” を聴く限りそんなこたないだろうし、曲中での MACKA-CHIN の「リズムがいいね、あったかい、シンセじゃないからかもね」っていうリリック聴くと、アルバムもこういう方向性なんじゃないかとかなり不安。
さらにトラックのせいかかなりレイドバックした印象なのも、今までの勢いを考えれば物足りないし、まるで Nitro 版 “Street Dreams” みたいなタイトル・トラックに至っては一体どうしたんでしょうか。ここでラップされてることといえば、いつもどおりのオレ自慢といえばそうなんだけど、今までが自分の偉業を誇示するかのようだったのに対して、この曲では過去を振り返ってる感じなんだよね。まぁ私は今まで Nitro の歌詞なんてまともに読んだことのない人間なんで、もしかしたら過去にもこういう内容の歌詞はあったのかもしれないけど、曲全体でここまでノスタルジックなのってなかったはず。これって今までイケイケで突き進んできた Nitro Microphone Underground というグループが、初めて立ち止まってみせたわけで、コレは何気に大きな変化なんじゃないのかなぁ。
とまぁ色々と辛口な事を書いて来たわけですが、曲自体はまぁ悪くないのよ。でもどうしても上に書いたような違和感が消えなくて、これがアルバムを聴く事によって納得に変わるのか。楽しみにしたいところです。
あと蛇足ながらDVDの方なんですが、うちのPCと相性悪いみたいで見れないのよね。でも youtube で見た “Special Force” の印象は、とにかく目が疲れる。あんな揺らすことなかろうに。